w人はわが人に殊なる性を知りておもしろがり給へば、我も亦ドメニカ[#「ドメニカ」に傍線]に對する如く、これに對して物語するやうになりぬ。貴婦人はこれを興あることに思ひて、主人の君に我上を譽め給ふ。主人の君も我を愛し給ふ。この愛は、曩《さき》に料《はか》らずも我母上を、おのが車の轍《わだち》にかけしことありと知りてより、愈※[#二の字点、1−2−22]深くなりまさりぬ。逸したる馬の母上を踏|仆《たふ》しゝとき、車の中に居たるは、こゝの主人の君にぞありける。
貴婦人の名をフランチエスカ[#「フランチエスカ」に傍線]といふ。我を率《ゐ》て宮のうちなる畫堂に入り給ひぬ。美しき畫幀《ぐわたう》に對して、我が穉《をさな》き問、癡《おろか》なる評などするを、面白がりて笑ひ給ひぬ。後人々に我詞を語りつぎ給ふごとに、人々皆聲高く笑はずといふことなし。午前は旅人この堂に滿ちたり。又畫工の來ていろ/\なる畫を寫し取れるもあり。午後になれば、堂中に人影なし。此時フランチエスカ[#「フランチエスカ」に傍線]の君我を伴ひゆきて、畫ときなどし給ふなり。
特に我心に※[#「りっしんべん+(匚<夾)」、第3水準1−
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