で、元来たよりも幾分か余計に降ったと思う頃、又も一個の室とも云う可き平な床へ降り着いた、熟く視ると此の室は八角に出来て居て、其の一角ごとに一個の潜戸が附いて居る、詰る所、余は上から降りて来て茲へ這入った戸口の外に七ケ所の戸口が有るのだ、どの戸口を潜れば好いか更に当りが附かぬ、又も咒語に頼る外はないと思い、能く考えて見ると確か「神秘攸在、黙披図※[#「※」は「たけかんむりの下にかねへんの碌」、読みは「ろく」、190−上2]」とあって図※[#「※」は「たけかんむりの下にかねへんの碌」、読みは「ろく」、190−上2]をさえ見れば分ると云う意味で有ろう、成ほどアノ図※[#「※」は「たけかんむりの下にかねへんの碌」、読みは「ろく」、190−上3]は唯見てこそ分らぬが、此の室へまでの道路の秘密を心得た上此の室で披《ひら》いて見れば随分思い当る所が有ったかも知れぬが、悲しい事には今はないのだ、虎井夫人が竊《ぬすん》で養蟲園へ送って遣ったのだ、其ののち何う成った事で有ろう、今更悔んでも仕方はないが、此の様な事と知らば、アノ図※[#「※」は「たけかんむりの下にかねへんの碌」、読みは「ろく」、190−上7
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