理はない、秀子が切に余に向って咒語と図※[#「※」は「たけかんむりの下にかねへんの碌」、読みは「ろく」、77−下9]とを研究せよと勧めたのも茲の事だ「名珠百斛[#著者による「明珠」の間違いかと思われる]、王錫嘉福」などと云うも夫々確かな意味のあるのに違いない、是からは真面目に咒語と図※[#「※」は「たけかんむりの下にかねへんの碌」、読みは「ろく」、77−下11]とを研究して見よう「神秘攸在、黙披図※[#「※」は「たけかんむりの下にかねへんの碌」、読みは「ろく」、77−下12]」などと云う文句も俄かに恭々しき意味が出て来た様に思われる、虎井夫人が鉄板の穴で手を引っ掻いた抔《など》も矢張り内々で此の咒語を解釈したいと研究して居る為だ、秀子の手帳を盗んだもそれ、秀子が手帳の事を痛く心配するも矢張りそれだ。
成るほど、秀子がアア心配する所を見るとアノ手帳には余ほど詳しく書いて有ったに違いない、夫も其の筈よ、一寸と茲へ登って来た許りの余ですらも是だけ発明するのだから、久しい以前から毎日の様に研究して居る秀子は、事に由ると最う悉く秘密を解釈し盡くして居るも知れぬ、是は堀の中の詮索よりも、塔の上の
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