Aその多くは、まだ赤ん坊の間か、あるいはほんのまだ子供の間に死ぬ。往来をぶらぶらするいかがわしい淑女達でも二十歳前に生んだ子供を一人ぐらいは持っているのがおおい。
 そこで、前に言った赤ん坊の頭ぐらいはやすやすと通れる、大きな穴や管の便所が必要になってくる。相応の医者へ行けば、五百フランぐらいで、勿論ごく内々で何の世話もなく手術をしてくれる。しかし貧乏人にはそうは行かない。
 堕胎はフランスでは重罪だ。が、こんど、それを軽罪にしたかするとかいう話を、四、五日前の新聞で見た。そこには毎年のこの犯罪数などもあったのだが、今その新聞が手もとにないので、詳しいこともまたはっきりしたことも言えない。
 これは貧乏人にとって、よほどありがたい改正のようだ。が、実際はそうでもないらしい。今までは、重罪だったので、陪審の人たちが多くは被告に同情して、容易にそれを有罪にさせなかった。また、よし有罪ときまっても、容易にその執行をさせなかった。それがこんどは、軽罪のお蔭で、陪審もなくなり、また裁判官の同情もよほどうすらごうと言うのだ。そしてその改正の目的も、実はやはり、そこにあるらしいのだ。
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