ムって大見得をきった。ボーイはすぐ僕の前に立って案内した。
 もう一つドアをあけると、そこは広いおどり場だった。盛んなオーケストラにつれて、十人あまりの女が今踊っている最中だ。僕はその一番前のテーブルに坐らされた。僕はボーイに二フランの銅貨を一つにぎらした、ボーイはしきりにお礼を言いながら、何か低い声でささやいた。僕はちょっと聞きとれないので聞き直した。
「もしお望みの娘がいましたら、ちょっと私に相図して下さい。すぐ呼んで来ますから。」
 ボーイはそう言って、何か小さな紙片を置いて行った。そして、それと入れかわりに、またほかのボーイが来て、大きな紙片を一枚テーブルの上に置いた。見ると、シャンパンのメニュだ。五十フランとか六十フランとかいう値段が書いてある。これや大変だ、と思いながら、前の小さな方の紙片を取って見ると、それには入場無料、飲物是非、とかいてある。
「ちょっと待っておくれ。」
 僕は踊りの方に夢中になっているような顔をして、一とまずそのボーイをしりぞけた。そして、短かい裾を盛んにまくりあげては足を高くあげて見せる、その何とか踊りがすんで、そしてこんどは見物の男や女がおどり場一
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