いた。
「ヨーロッパの大戦だって、もう半年か一年続いて見たまえ。フランスなんぞはすぐ滅茶苦茶につぶれてしまったんだ。(五行削除)」
二
(三十一字削除)この水兵の話やまたその後フランスへ行ってからのいろんな人達の話で、そのずいぶん範囲の広かったことや大げさだったことに驚いた。
そのために殺されたものもかなり多い。また牢にはいって今まだそこにいるものも大ぶある。そしてまた、今でもまだ逃げ廻って、日蔭者でいるものも少なくはない。
そして戦争中のこれらのいわゆる犯罪人や、またその後の反動政治の犠牲等のための大赦運動が、前々からもまた僕が行っている間にも、盛んに行われていた。しばしば示威運動もあった。メーデーの要求の中にもそれが大きな一個条になっていた。
政府は幾度か大赦の約束をした。が、それはいつもただ約束だけのことだった。
水兵のジャン君が話した、いわゆる Mutins《ミュテン》 de《ド》 La《ラ》 Mer《メエル》 Noire《ノワル》(黒海の謀叛人)の首領、共産党の何とかという男は、まだ牢にはいっていたが、僕がフランスを出る数日前に、パリ近郊の下院代議士補欠選
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