とが、この征服の事実と、およびそれに対する反抗とに触れざる限り、諸君の作物は遊びである、戯れである。われわれの日常生活にまで圧迫して来る、この事実の重さを忘れしめんとする、あきらめである。組織的瞞着の有力なる一分子である。
 われわれをしていたずらに恍惚たらしめる静的美は、もはやわれわれとは没交渉である。われわれは、エクスタシイと同時にアンツウジアスムを生ぜしめる動的美に憧れたい。われわれの要求する文芸は、かの事実に対する憎悪美と叛逆美との創造的文芸である。



底本:「全集・現代文学の発見・第一巻 最初の衝撃」学芸書林
   1968(昭和43)年9月10日第1刷発行
入力:山根鋭二
校正:浜野 智
1998年8月17日公開
2003年10月20日修正
青空文庫作成ファイル:
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