れど、いろいろ誤解のある間でもあり面倒だから止す。足下からよろしく言ってくれ。
   *
 堀保子宛・明治四十二年十一月二十四日
 先日話した外、なお階行社(軍人団体の会)および、助愛社(愛知県出身軍人の会)から多少の金の来るように聞いていた。もっとも、これは戦時の話で、戦時に限るのかも知れぬが。前者は山田に尋ねたらわかる。後者は三保の家にその規則を書いた小冊子がある。
 父が死ねば自然僕が戸主となって、役場へはその書換えの届けをする筈だと思うが、また父の葬式や何かにもすでにその必要があったのだと思うが、どうなっているのだろう。もしそとでできるのならやって置いてくれ。また、僕の寄留地などもこの際きめて置いたら都合がよかろう。
   *
 堀保子宛・明治四十二年十二月二十三日
 まだ三保にいるのかと思うが、ともかくも大久保に宛ててこの手紙を出す。表に至急としてあるから、いずれにしても至急足下の手にとどくだろう。
 弁護士からの手紙着いた。いろいろ面倒であったそうだが、母が出てくれることになったのは何よりもありがたい。ついては、さっそくとらねばならぬ処置に関して僕の意見を言おう。
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