、ゾンバルト著、労働問題。菜食主義(ドクトル加藤所有。これは長々の実行で実は少々心細くなったから、せめてはその理論だけでも聞いて満足していたい。ドクトルにそう言って借りてくれ。)
露文、トルストイ作民話(英訳と合本して)
*
大杉伸宛・明治四十二年十一月二十四日
父の死! 事のあまりに突然なので、僕は悲しみの感よりはむしろ驚きの感に先きだたれた。したがって、涙にくるると言うよりはむしろ、ただ茫然自失という体であった。すると、この知らせのあった翌日、君が面会に来た。そして家のあと始末を万事任せるとの委任状をくれと言う。僕は承知した。
しかしあれは取消す。そして次のように考えを変えた。まず保子にある条件を委任して、三保に行って貰い、調べることは調べ、処理すべきことはみんなと相談して処理すること。またその後の話によれば訴訟事件※[#始め二重括弧、1−2−54]父と父の関係していたある会社との※[#終わり二重括弧、1−2−55]もあるとのことだから、別に僕の知人の弁護士にもある条件を委託して保子と一緒に三保へ行って貰うこと。なおその外には種々なる法律上の問題もあろう。それらについ
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