らに怠け怠けてやっていたような蕪雑な粗漏のないことを信じて安心している。
 広告はよくあれだけ取れたね。大いに感心している。自分の方の広告はいっさいしないのだから、初めから売捌けのよかろう筈はない。したがってその間は、この方面に全力を尽さなければなるまい。
 なが年のお手並みだ。これだけでも経済の立って行かぬことはあるまい。ともかく、以前のように月に一、二度ちょっと歩き廻るぐらいのやり方をよして、一生懸命に走り廻るがいい。
 売捌きの景気はどうだ。先日話した『平民新聞』の読者に端書を出すぐらいのことは是非やるがいい。もっとも、足下と守田との二人の連名で、責任ある購読勧誘状にしてもらいたいと思うが。それと幸い『二六』の人が大勢筆を執っているようだから、何とかして『二六』の読者に売りつける方法を考えないか。たとえば『読売』と『むらさき』との関係のように見せかけるとかして。このためには少々の金は出してもいいじゃないか。守田と兄とに相談して御覧。
 また、先日話のあった家庭講演なども、もしできるなら面白かろうと思う。大いに広告になるに違いない。ペンのためとあるからには、いろいろおかしなこともや
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