ような念入りの減り方もあったけれど、それは一カ月ばかり後にまったく恢復していた筈だ。
しかしこの降り坂も、もう大がいはここらでお止りのことと思う。
 先日面会の時に言ったドイツ語の本は、あれで分ったか。一つは Ein Blick in die Zukunft というので、もう一つは 〔Boetius, Die Tro:ftungen der Philosophie〕 というのだ。
 この次にはケナンの著シビリーン三冊(シベリア紀行)と、ルシツシェ・ゲフェングニツセと、およびツェルトレーベン・イン・シビリーンとの三冊を合本にて送ってくれ。もしこれがなかったら、ハイネの作を全部。それから『吝嗇爺』の叢書の中にドイツ文学の仏訳のものがある。その中のゲーテとシルレルとの二人の作を全部取寄せるように、青年会館の前の三才社に注文してくれ。全部と言っても六、七冊くらいのものだと思う。
 ビュルタンの中に何かイタリア語の本が見つかったか。もし無ければ、僕の本棚の中に黄色の表紙の『ル・ムーブマン・ソシアリスト』という雑誌が十数冊ある。それにも新刊紹介があった筈だ。若宮からは貸してくれるか。
 仏文の C
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