闡イ業する予定だ。
 その後読んだもの。チェルコソフ『社会主義史の数ページ』、クロポトキン『無政府主義の倫理』、同『無政府主義概論』、同『無政府主義と共産主義』、同『裁判と称する復讐制度』、マラテスタ『無政府』、ロラー『総同盟罷工』、ニューエンヒュイス『非軍備主義』(以上小冊子)。ゾラ『アソンモアル』、クロポトキン『パンの略取』、アラトウ『無政府主義の哲学』、『荘子』、『老子』、『家庭雑誌』、『日本エスペラント』。
 ジャガ芋の花を悪く言って、大いに山川兄から叱られたが、あれももう大がい散ってしまったようだ。今は、ネジリとかネジリ花とかいう小さな可愛らしい草花が、中庭一面の芝生の中に入りまじって、そこにもここにもいたるところにその紅白の頭をうちもたげている。面会や入浴の時には、いつもこの中庭の真ん中を通りぬけて行く。眼をあげて向うを見ると、この芝生のつきるところには、一、二間の間をおいて、幾本となく綺麗な桧が立ちならんでいて、そしてその直後に、例の赤煉瓦のいかめしい建物が聳えている。この桧の木蔭の芝生の厚いところで、思う存分手足を伸ばして一、二時間ひるねして見たい。
 手紙は、一日に平
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