のだろう。と梶は思った。空へ舞いのぼって行く機体の窓から下を見降ろしたとき、彼は忘れずイレーネと喇叭の一組の夫婦のことも考えて、
「仲良くしてくれ、仲良く――」
と、そう下に向って帽子を振るのも、またいつかそれはアンナにも振っている帽子に変っていった。
底本:「機械・春は馬車に乗って」新潮文庫、新潮社
1969(昭和44)年8月20日発行
1995(平成7)年4月10日34刷
入力:MAMI
校正:松永正敏
2001年2月10日公開
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全9ページ中9ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
横光 利一 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング