ず、外国を歩く旅路のどこまでも従き纏って来る無念さである。
「まア、そう怒るな。自分で儲けた金なら、許すとしよう。」
 と、商務官は即座に大きく出て笑ってのけたので、無事船中のその場は丸く鎮ったが、弁明の余地のない矢代に、却って痛さは一層響き残って消えなかった。
 今も彼は二畝もつづけて鍬を打ち降ろしていると、汗が額から頬を伝い、土の上に滴り落ちた。それもわが身の罪の流れ滴るのを眼にするように感じ、腕が痺れて来ても矢代は止めたくはなかった。久しく運動から遠ざかっていたので呼吸も切れ易かった。腰も懶るくなり、咽喉もとの唾も涸れて来た。しかし、そうしている時にも流れる汗が激しくなって来ると、彼は何か見栄に似たある虚栄心さえ次第に覚えて来るのだった。矢代は鍬の柄に肱をつき畑を見廻した。軽く跳び弾んで来る快感の中から、こういう見栄の混じて来るのはこれはどうしたことかと、やがて憂鬱になりのろのろと鍬を上げては降ろした。正義感もそれを感じれば感じるほど不正を覚えて来る畑打ちだった。
 矢代はこんな難しいものを畑から得ようとは思わなかったので、疲れのまま小川の縁の枯草の中で休んだ。日に解け湿った土か
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