て来た。やはり、こういうことは訊くものでもなく、読むものでもなかったと彼は初めて後悔した。
「ああ天地《あめつち》のもと、われら敬愛の心もて、御身の御座所《みくら》の前にかく平れ伏し、讃美の誠を捧げまつる。われら身をきよめ御身を敬いまつることを人に弘め、歓びに心とどろき、僕《しもべ》たる身を貴しと思い、御身を讃めたたえまつりて、その大いさを説き示し、み保護のもと歓び行いて、御宿りのいかばかり美しきかを人に教えまつらんことを希う。かくわれらあらん限り、御身のみ心をおのれとし、み栄を高くかかげて、異端者の悪しき思いやあまたの人の心なき業、また、そそっかしき心もて受けさせ給う侮辱《あなどり》をも、そそぎまつらんことを希う。」
 ここまで読んで来たとき、矢代はもう普段の気持ちではおれなかった。その中の非人間的な浄らかな呼び声の流れる中の、特に、異端者の悪しき思いをそそぎまつらんことを希うというところまで来ると、自分を突き伏せて来るように感じ思わず矢代も身構えた。今まで文面から受けた歓びも素直な歓びとはならず、むしろそこから歪みを帯びただけではなかった。固く重い鉄筋がずしりと落ち込んで来たような
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