の話をされると気が詰った。父の納骨に親戚たちを呼びよせることはさして苦労ではなかったのを、それもせず急に出て来たのは、仕事を措いて出て来るもの達への遠慮のみならず、彼の見知らぬ親戚の多数と顔を合せる気苦労もあり、また他に口にはしがたい理由も少しはあった。一つは帰途に千鶴子と京都で落ち合う予定もその中の重要なことだったが、これで、さて親戚たちを集めたとなると、自ら別に矢おもてに立つ親戚もあった。矢代の父の血族の中、もっともこの村から離れることの不都合な叔父一家が、叔父の死後家を他人に貸し、遠く他郷へ出ていることから疎遠になっているのも、表面立たぬそれだけに、各家の者からは自然非難の眼を向けられずにいない態だった。なお他にも特別思案にあまることが多多あって、このたび矢代の母の出渋った大きな理由も、彼女自ら語らぬながら、想像すれば彼にも出来ないことではなかった。それはこの郷里の叔父の家の所有権で、今は借家となっている家が、名儀は叔父の長男になっているとはいえ、前には矢代の父のものであった。永らく村長をこの村の役場で勤めていた叔父の体面上、父は名儀を叔父のものとして家を無代で貸してあったそのま
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