か今にして思います。僕は古代人のように、自分のおん神に感謝します。こう云いますと、お前は世界の光を知らぬのだと笑う顔も、必ずあります。ところが、どこの世界へ行きましても、僕らにふりかかって来た光は、僕らという物があって、そして光るのでした。これはあなたと僕の重要な実験済みのことでした。これを感じることもなく、光こそは世界のどこのものでもない共通のものだと思うのは、これほど正しく見える幻影がありましょうか。自分のいない所の光などを、光と思い得られる激しい幻影というものは、西洋には誰にも古来からあるものです。そして、皆そのままに信じ消えうせてしまいました。いったい、この美しい魔法の種は何んでしょうか。――僕は一見誰が見ても愚かな詭弁だと思われそうな、こんなことなどを書くに就きましても、前には、光の原理や色彩というような、光そのものの中に七色があるというニュートンの抽象的な光や、いや、光は、光あるものに出あって光るというゲーテとの、難かしい例の二人の論争的研究や、ギリシア以来のそれらに関する、歴史的研究などというものも、ともに多少は眼を通してから後の、この手紙です。光に関しましては、僕は、ゲ
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