》に蔵《しま》へば縦令《たと》へば虫《むし》に喰《く》はるゝとも喰《く》ふ種《たね》には少《すこ》しもならず。学士《がくし》ですの何《なん》のと云ツた処《ところ》で味噌摺《みそすり》の法《はふ》を知《し》らずお辞義《じぎ》の礼式《れいしき》に熟《じゆく》せざれば何処《どこ》へ行《いつ》ても敬《けい》して遠《とほ》ざけらる※[#二の字点、1−2−22]が結局《おち》にて未《ま》だしも敬《けい》さるゝだけを得《とく》にして責《せ》めてもの大出来《おほでき》といふべし。ミルトン[#「ミルトン」に傍線]の詩《し》を高《たか》らかに吟《ぎん》じた処《ところ》で饑渇《きかつ》は中《なか》々に医《い》しがたくカント[#「カント」に傍線]の哲学《てつがく》に思《おもひ》を潜《ひそ》めたとて厳冬《げんとう》単衣《たんい》終《つひ》に凌《しの》ぎがたし。学問《がくもん》智識《ちしき》は富士《ふじ》の山《やま》ほど有《あ》ツても麺包屋《ぱんや》が眼《め》には唖銭《びた》一文《いちもん》の価値《ねうち》もなければ取ツけヱべヱ[#「取ツけヱべヱ」に傍点]は中々《なか/\》以《もつ》ての外《ほか》なり。トヾ[#「
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