ずらりと咲いた
はたけの畔に
お地藏さんの横に
まつ黄に咲いた
たんぽぽやたんぽぽや
雲雀
雲雀が啼いてるね兄さん
どこで啼いてるのだらう
ずゐぶん澤山ゐるね兄さん
お日さまのひかりが
ぴちぴちはぢけてる樣だね兄さん
聞いてゐると
ねむくなるね兄さん
早く走りませう
兄さん 兄さん
春の日向《ひなた》
ちいぴいちいぴい
鳥が啼く
ひいんこつこつ
また別な鳥
遠くか近くか
柿の木か
ちいぴいちいぴい
ひいんこつこつ ひいんこつこつ
窓を開《あ》けたら
太陽が ばア
櫻眞盛り
おほきなおほきな櫻の木
まんまんまるい花ざかり
あつちから見てもこつちから見ても
まんまんまるい花ざかり
風は吹けども花散らず
小鳥とべども花散らぬ
おほきなおほきな櫻の木
まんまんまるい花ざかり
櫻散る散る
昨日もひらひら
今朝もひらひら
今もひらひら
櫻ひらひら
ひらひらひらひら
千散り
萬散り
千萬散り散り
散つても散つても
散り盡きない
螻《けら》のねぼけ
畦《あぜ》の穴からひよつこ
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