と私も妻も、わづか一日のうちに親しくなつてしまつた幼い子供たちも、何だか名殘が惜しまれて、もう二三日遊んで行つたらどうかと、勸めたけれども、學校の方がありますので、と云つて立ち上つた。家内中して門まで送つて出た。帽子もない法衣のうしろ姿を見送りながら私は大きな聲で呼びかけた。
『歸つたら早速比叡に登つて見給へ、さうしてお爺さんに逢つてよろしく言つて下さい。』
底本:「若山牧水全集 第七卷」雄鷄社
1958(昭和33)年11月30日発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:柴 武志
校正:林 幸雄
2001年6月13日公開
2005年11月16日修正
青空文庫作成ファイル:
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