い。

遠く、遠く突き出た岬のはな、
右も、左も、まん前もすべて浪、浪、
僅かに自分のしりへに陸が續く。
そんなところに、いつまでも、立つてゐたい。

いつでも立ち上つて手を洗へるやう、
手近なところに清水を引いた、
書齋が造り度い。

咲き、散り、
咲き、散る
とりどりの花のすがたを、
まばたきもせずに見てゐたい。
萌えては枯れ、
枯れては落つる、
落葉樹の葉のすがたをも、
また。

山と山とが相迫り、
迫り迫つて
其處にかすかな水が生れる。
岩には苔、
苔には花、
花から花の下を、
傳ひ、滴り、
やがては相寄つて
岩のはなから落つる
一すぢの絲のやうな
まつしろな瀧を、
ひねもす見て暮し度い。

いつでも、
ほほゑみを、
眼に、
こころに、
やどしてゐたい。

自分のうしろ姿が、
いつでも見えてるやうに
生き度い。

窓といふ
窓をあけ放つても、
蚊や
蟲の
入つて來ない、
夏はないかなア。

日本國中の
港といふ港に、
泊まつて歩き度い。

死火山、
活火山、
火山から
火山の、
裾野から、
裾野を
天幕を擔《かつ》いで、
寢て歩きたい。

日本國中にある
樹のすがたと、
その名
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