であった。水田検事から詳しい説明がのべられると、村松検事の無罪説を信じていた帆村たちも、それでも村松検事は塩田先生殺しに無関係であるとはいえなかった。
(しかし、これは何か大きな間違いがあるのに違いない)
帆村はあくまでそれを信じていた。
でも、内部から鍵をかけた密室の殺人事件――塩田先生は文鎮で脳天をうち砕かれ、村松には凶器である文鎮を握っていた証拠がある。窓は内から鍵こそ掛っていなかったが閉っていたそうである。もし窓が明いていたとしても、誰が窓の外から侵入して来られるだろう。なにしろこの法曹クラブ・ビルというのは、スベスベしたタイル張りの外壁をもって居り、屋上には廂《ひさし》のようなものが一間ほども外に出ばっていたし、人間|業《わざ》では、到底《とうてい》窓の外から忍びこむことが出来そうもなかった。
すると、村松検事の犯行でないという証明は、ちょっと困難になるわけだった。
帆村は、水田検事に頼んで、村松にひと目会わせてくれるように頼んでみたけれど、この際のこととて、それもあっさり断られてしまった。
死闘宣言
帆村探偵は、彼をしきりと慰めてくれる正木署長とも別
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