づくに従って、一隊の警察官が停留場の前に佇立《ちょりつ》しているのを認めた。丁度|誰何《すいか》した警官があったのを幸い、彼を案内に頼んで、その一行に近づいた。
なるほど正木署長もいた。帆村と親しい村松検事もいた。戎署長の真赤な童顔も交っていた。
正木署長は手をあげて帆村をよんだ。
「やあ皆さん。蠅男が電話をかけているのを知らせてくれた殊勲者、帆村探偵が来られましたぜ。その方だす」
旧知も新知も帆村の方をむいてその殊勲をねぎらった。
「署長さん。蠅男はどうしました」
「さてその蠅男やが、折角《せっかく》知らせてくれはったあんたにはどうも云いにくい話やが――実は蠅男をとり逃がしてしもうたんや」
「はア、逃げましたか」
「逃げたというても、逃げこんだところが分ってるよって、いま見てのとおり新世界と公園とをグルッと取巻いて警戒線をつくっとるのやが――」
「ああなるほど、そのための非常警戒ですか。女の方はどうしました、あのお竜とかいう……」
「ああ、あれも一緒に、そこの軍艦町《ぐんかんまち》に逃げこんでしもて、あと行方知れずや」
「え、軍艦町?」
「はア、軍艦町には、狭い関東煮やが沢山並
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