る。さあ、これを見ていたまえ」
 帆村の顔は流石に朱のように紅潮した。彼は鉛筆をとりあげると、白紙をひきよせた。
「アラマソオオ、マダムイナイノ、ダマシタノネ、ソトハサムイワ、マサニ、オオサム……」
 と一度例の文句を片仮名で書いた。
 それから別の紙をとりあげて、また鉛筆を走らせたが、意外にもそれは日本式のローマ字だった。
[#ここから3字下げ、16字詰め、罫囲み]
ARAMASOO−MADAMUINAINO−DAMASITANO
NESOTOWASAMUIWA−MASANI−00SAMU
[#ここで字下げ終わり]
「さあ、いいかネ。これを逆に綴ってみるよ」
[#ここから3字下げ、16字詰め、罫囲み]
UMA[#「UMA」に傍線]SOOINASAMA[#「SAMA」に傍線]WI UMA[#「UMA」に傍線]SAWOTOSENONATI
SAMA[#「SAMA」に傍線]DONIANIUMA[#「UMA」に傍線] DAMOOSAMA[#「SAMA」に傍線]RA
[#ここで字下げ終わり]
「さあ出て来たぞ。傍線をしたなかでUMAというのは『右廻し』ということ、SAMAというのは『左廻し』と
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