みこんだのです。その代り、桐花カスミさんなどの女連が立ち合って裸の検査ですよ」
「ど、何うしたというんだ」
「よくは判りませんが、何か探すものがあったらしいのですよ。でも、まア三原さんの体からは発見されないで済んだようですが外に二人ほど男優とライト係とが拘引《こういん》されちまって、まだ帰ってこないのです。とにかくあっし[#「あっし」に傍点]は三原玲子さんばかりはお止しなさいと云いますよ」
「変なことを[#「変なことを」は底本では「辺なことを」]云うなよ、はっはっはっ」
私は帆村の待っている方へ行って、彼を撮影場の方へ誘った。
「いまの三原レイ子とかいうのは、何うしたのだ」帆村はもうちゃんと聞いていた。
私はすっかり照《て》れてしまった。が、隠してももう隠しきれないと思ったので、彼に一と通り説明をした――三原玲子というのは、この東キネの幹部女優桐花カスミの弟子に当る新進のインテリ女優だった、彼女は私と一緒にL大学の理科の聴講生だったことがあって、それで旧知の仲だった。その玲子はあまり美人とは云えない方で、スクリーンに出ることはまず稀で、もっぱら桐花カスミの身の周りの世話をして重宝が
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