》ッ、鴨田さんが自殺しているッ」
そういう声を背後に聞いた帆村は、もう別にその方へ振返ろうともしなかった。
そして彼の胸中には、事件を解決するたびに経験するあの苦《に》が酸《ず》っぱい悒鬱《ゆううつ》が、また例の調子で推《お》し騰《のぼ》ってくるのであった。
底本:「海野十三全集 第2巻 俘囚」三一書房
1991(平成3)年2月28日第1版第1刷発行
初出:「新青年」
1932(昭和7)年10月号
入力:tatsuki
校正:花田泰治郎
2005年5月26日作成
青空文庫作成ファイル:
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