かさば》ったものでしょうね」
「それア相当なもんですなア」と副園長が横合《よこあい》から云った。
「馬鈴薯《じゃがいも》、甘藷《かんしょ》、胡羅蔔《にんじん》、雪花菜《ゆきやさい》、※[#「麥にょう+皮」、第3水準1−94−77]《ふすま》、藁《わら》、生草《なまくさ》、それから食パンだとか、牛乳、兎《うさぎ》、鶏《とり》、馬肉《ばにく》、魚類など、トラックに満載《まんさい》されてきますよ」
「なるほど」帆村は又《また》鴨田の方へ向き直った。「莫迦《ばか》げたことをお尋《たず》ねいたしますが、この蟒《うわばみ》は人間を呑みますか」
「呑まないとは保証できませんが、あまり人間は襲《おそ》わない習性《しゅうせい》です。先刻《さっき》もそんなことを訊かれましたが、園長を呑んでいないことは確かですよ。人間を呑むには時間もかかれば呑んでも腹が膨《ふく》れているので直ぐ判ります」
帆村は黙って頷《うなず》いた。
しかし人間の身体を九つ位にバラバラに切断《せつだん》して、この蟒に一塊《いっかい》ずつ喰べさせれば、比較的容易に片づくわけだし、腹も著しく膨《ふくら》むこともなかろうと考えたので、質問
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