る雪達磨《ゆきだるま》のようにトロトロと流れだした。それが最期だった。暗視機のレンズはチラチラと動きまわったが、そこには白煙の外、なにも空中には残っていなかった。
「敵ながら惜しい勇士じゃったが……これも已《や》むを得ん。わが軍の怪力線の煙と消えたので彼もすこしは本望じゃろう」
 そういって牧山大佐の声が受話器を通じて感慨無量《かんがいむりょう》といった顔をしている帆村の耳に響いた。
 それから巨人機は恐ろしいほどスピードを増して、時間にして五、六時間も飛行した、哨戒員《しょうかいいん》は暗視機で四方八方を睨み、敵機もし現れるならばと監視をゆるめなかった。機関砲の砲手は、砲架《ほうか》の前に緊張そのもののような顔をしていた。しかし其《その》後は何者も邪魔をするものが現われなかった。
「牧山大佐どの。もう行先だの目的だのを話して下すってもいいでしょう」
 と帆村は大佐の耳に口を寄せて云った。
「君の方がよく知ってるじゃないか」
「やはりベーリング海峡ですね」と帆村はズバリといった。「プリンス・オヴ・ウェールス岬とデジネフ岬のある中間でしょう」
「正《まさ》にそのとおり!」と大佐は帆村の手
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