ろうか?
疑問の第二の海峡
帆村探偵が愕《おどろ》いたのも無理がない。そこに浮かび出た緑色の文字は、実に次のような意味の文句を綴《つづ》ってあった。
「……ボゴビ、ラザレフ岬。四日完了。……総攻撃開始は十日の予定、それまでにR区各員は一切《いっさい》の準備を終了し置くを要す」
ボゴビ、ラザレフ岬とは何処《どこ》を指していうのか。また何を完了するというのか?
総攻撃開始とは、何処を攻めるというのであるか?
R区とは何処を云っているのか?
各員は何を準備するのであるか?
何のことだか、ハッキリは分らないけれど、帝都に巣喰う密偵団に準備をしろという点から考えると、これは何かわが日本帝国に関係のあることはいうまでもない。もっと深く知るためには、ボゴビ、ラザレフ岬という地名を知らねばならない。
探偵帆村荘六は、憩《いこ》う遑《いとま》もなく、それからまた地名辞典の頁《ページ》を忙しく繰った。すると、果然あった、あった。ラザレフ岬にボゴビ町! ボゴビ町というのは、北樺太《きたからふと》の西岸にある小さな町の名だった。ラザレフ岬というのは、間宮《まみや》海峡をへだてて其の
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