からポケットに走らせた。
「うむ、あったぞ!」
彼は思わず大声をあげた。右のズボンのポケットから出て来たのは、皺《しわ》くちゃになった折り畳《たた》んだ西洋紙だった。
「これだこれだ」
彼は躍りあがりながら、紙片を拡げてみた。そこには最初に空気管の中で確かめたのと同じく、漫画風の変な恰好の水兵が、パクパクとパイプをくゆらせている画がついていた。
「なんだ。これは漫画じゃないか?」
密書と思いきや、こんな無邪気な漫画水兵であるとは……。彼は大きい失望を感じながら、なおも紙面を見つめていたが……、
「おお、これは変なところがあるぞ!」
と、突然|呻《うな》りだした。
「そうだ、これは一種の暗号で、隠し文字法といわれるものだ。いろんな文字が隠してあるのが見える。ハテこの水兵の胴と脚とはRという字に似ているぞ。おやおや、この靴を見ると、変な形になっているぞ、右がEの字で、左の足はどうやらZらしい。このパイプの煙も妙な形をしている。……これは面白い」
帆村は重傷の事も、あたりが急に明るくなって、このビルディングの小使がゴトゴトと起きだしたことも気がつかない様子で、画面の中から暗号を拾い
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