った!」
と叫んだ。首領「右足のない梟《ふくろう》」は帆村がひそんでいることに気がついたらしい。ではどうする?
帆村は咄嗟《とっさ》に決心を定《き》めた。彼は鉄格子に手をかけると、エイッと叫んでそれを外《はず》した。そして躊躇《ちゅうちょ》するところなく、両足から先に入れ、ズルズルと身体をぶらさげ、ヒラリと下の部屋に飛び下りた。無謀といえば無謀だったが、戦闘の妙諦《みょうたい》はまず敵の機先を制することにあった。それに帆村は既に空気管の中の模様を見極めているので、この上その中に潜入していることが彼のために利益をもたらすものではないという判断をつけていたからだった。
「ヤッ……」
帆村は四角い卓の死角を利用して、その蔭にとびこんだ。二人の敵はこの大胆な振舞に嚥《の》まれてしまって、ちょっと手を下す術《すべ》も知らないもののようだったが、帆村が隠れると同時に内ポケットから拳銃《ピストル》をスルリと抜いて、ポンポンと猛射を始めた。狭い室内はたちまち硝煙のために煙幕を張ったようになり、覘《ねら》う帆村の姿が何処にあるかを確かめかねた。
もちろん帆村はその機会を逃がしてはならぬと思った。
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