大図譜! 流石《さすが》の帆村探偵も、火葬炉の中に入れられたように、全身がジリジリと灼熱してくるのを覚えたのであった。
「さあ、――」と帆村は首領の背中を銃口で押して威嚇《いかく》した。「この図譜が出て来たからには、もう観念してよいだろう。こいつの実行期は何日《いつ》だ、それを云ってみたまえ」
帆村は、さも計画を熟知しているような顔をして、この機密に攀《よ》じのぼるための何かの足掛りを得たいつもりだった。
「はッはッはッ」と「右足のない梟」は太々《ふてぶて》しく笑って、「儂《わし》に聞くことはないでしょう。御覧のとおりですから、勝手にお読みになったがいいでしょう」
読めというのか。ではこの図譜の上に、すべてのことが書かれているのだ。――だが読めといっても、この花鳥乱れるの図を何と読んでいいのだろう。
「フフフフ、どうです。お分りかナ。――」
と首領は悪意を笑声に盛って投げつけた。それを聞くと帆村はもう耐えられなくなった。
「――分らなくて、どうするものか!」
と彼は叫んだ。自暴的な自殺的な言葉を吐くのが、彼のよくない病癖だったが、それを喚き散らすと、いつの場合も反射的に天来の霊
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