の住民たちの身体を見る方法がなかったからだ。然《しか》るに予《よ》は、特殊の偏光装置《へんこうそうち》を使って、これを着色して認めることに成功した。その装置については、別項の論文に詳解しておいた。
ここに注意すべきは、このルナ・アミーバーとも名付くべき生物は、地球の人類に先んじて月と地球との横断を試《こころ》みたい意志のあることである。おそらく、それは成功することであろう。彼等は地球へ渡航《とこう》したときに、身体の変質変形をうけることを恐れて、何かの手段を考え出すことであろうと思われる。予の考うるところでは、多分そのルナ・アミーバーは身体を耐熱耐圧性《たいねつたいあつせい》に富み、その上、伸縮自在《しんしゅくじざい》の特殊材料でもって外皮《がいひ》を作り、その中に流動性の身体を安全に包んで渡航してくるであろう。その材料について、予は左記の如き分子式を想像するが、この中には、地球にない元素が四つも交《まじ》っているので、もしルナ・アミーバーが渡来したときには、面白い研究材料が出来ることであろう、云々《うんぬん》」
ルナ・アミーバーという、透明で、流動性の生物があることは、博士の論文
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