のだから、誰しも性能をうたがいたくなるのは無理ありません。私としては、この飛行島が完成した上で、試運転するところを黙って見てくださいといいたい。その時にこの浮かぶ飛行島がどんな目覚しい働きをするか、まず腰をぬかさないように見物していただきたいと申したい。しかし貴国との共同作戦をきめるのは、試運転の時ではもう遅い。敵の日本艦隊は、かなわないと知っても決してぐずぐずしてはいませんからね。その前に、貴国とわが英国とは手を握って、共同戦線を張らなければ、この戦争は大勝利を得るというわけにはいかないでしょう。もっともわが軍は、単独で日本と戦っても勿論十分勝つ自信はありますがね。しかし貴国もどうせ日本に対して立つのなら、わが国と一しょに立った方がお互に利益ですからね」
 リット少将は、嚇《おど》したりすかしたりして、ハバノフ氏を口説きおとすのに大車輪の態だった。老獪《ろうかい》とは、こういうところをいうのだろう。
 しかしハバノフ氏は、更に役者が一枚上と見えて、嚇されてもすかされても、一向感じないような顔をしていた。リット少将は、心中じりじりとあせってくるばかりであった。
 そこで少将は、急に思い
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