つけて、おどりあがった。
「あっ、生きかえった。おい川上、しっかりしろ。俺だ、俺が分からんか。俺は長谷部だ」
 と、川上の手の甲をたたきつつ、声をかぎりに呼べば、
「おお、――」
 川上機関大尉は、微かに声を発した。そして光のない眼であたりを見まわしていたが、そのうちに、少佐の手をぐっと握りかえした。彼の頬には、だんだん血の色が浮かびあがった。
「おお、気がついたか。川上、貴様はたいへんな手柄をたてたな。羨ましいぞ」
「なあに、――」川上は口をもごもごした。
「なあに、どうしたというのか」
「いや、飛行島を爆破したのは、俺じゃない。あの、脱走兵杉田二等水兵の手柄だよ。身をもって爆弾庫にとびこんだあの水兵を、皆して褒めてやってくれ。俺は――俺は……」
 川上機関大尉の眼から、熱い涙が、せきを切ったようにあふれてきた。そして潮やけした頬をつたって、幾条かの涙の道をつけた。
 ああ、なんという謙遜な言葉であろう。ああ、なんという部下思いの言葉であろう。
 彼は、自分のたてた大功を誇らず、まず何よりも忠勇な部下であり、そしてまた一度は脱走兵の汚名を着た杉田のために、その功を称《たた》えたのであ
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