動ぶりであった。
風はしきりに吹き募り、暗夜の海面に、波浪は次第に高い。赤や青や黄の艦艇の標識灯さえ、ときには光を遮られ、しばらく見えなくなることさえあった。それは艦首にどっとぶつかる怒濤が、滝のように甲板上に落ちてくるせいだった。
「ほう、外はいよいよしけ[#「しけ」に傍点]模様だな」
「うむ。しかし不連続線だそうだよ。いまにはれるだろう」
細い艦内通路を、肩をならべて歩いてゆく若い士官の会話だ。
出航用意からはじまってここまで、まるで火事場のような忙しさの中にきりきり舞をしていた飛行島の乗組員たちは、やっと一息つく暇を見出した。艦内士官酒場へ入ると、そこではしきりにコップのかちあう音がきこえ、葉巻の高い香が匂っていた。
「一たいこれからわが飛行島は、どんな任務につくのかなあ」
若い機関部の士官が、これはまた頼りない質問を、ある主砲の分隊付をしている同僚に出した。
「なんだ、これからどんな任務につくのかだって、そいつは、いくら機関部だって、ひどい質問だ。分かっているじゃないか、日本の本土を南の方角から強襲するのだ」
「やっぱりそうか。南の方から強襲するのか」
「なあんだ、君に
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