閲点呼のことじゃ。君は気が変になったのか。日本潜水艦現るとさわいでいる最中に、検閲点呼のことについてもないじゃないか」
「はっ、しかし重大事件でございますので。――分隊長フランク大尉が、只今機関部で、ピストルを乱射いたしておるそうであります。当直将校からの報告であります」
「なに、フランクがピストルを乱射しているって。誰を撃ったのか」
「さあ、それについてはまだ報告がありません。なにしろ第四エンジン室内の電灯は消え、銃声ばかりがはげしく鳴っておりますそうでして――」
「ええっ、――」
 ときもとき、日本潜水艦の追跡をうけている最中だというのに、突如として飛行島内に起ったフランク大尉の暴挙!
 リット少将は蒼白となって、傍の椅子にくずれかかるように身をなげた。
 電灯の消えた第四エンジン室の暗闇中では、そもいかなる椿事がひきおこされているのであろうか。
 フイリッピン人カラモを装う川上機関大尉の安否は、果して如何?


   エンジン室の乱闘


 試運転中の飛行島の艦側に、暗夜の出来事とはいえ、あろうことかあるまいことか、仮想敵国の日本の潜水艦ホの十三号が、皮肉な護衛をしていたのに誰も
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