機だ」
「一たいどうしたのだろう」
「今夜はどうやら演習らしいぞ」
 と、下甲板から顔を出した労働者がいった。
「おや、あの灯《あかり》はなんだ。うむ、飛行島のまわりをぐるっと取巻いている。軍艦の灯じゃないか」
 というのも当っていた。
 試運転中の飛行島の空は、六十余機の戦闘機と偵察機とにまもられ、またその周囲は、三十隻の駆逐艦と十五隻の潜水艦によって、二重三重に警戒されているのであった。
 空からなりと、海面からなりと、一機の敵飛行機であれ、一隻の怪ジャンクであれ、向こうから近づけば、どんなことがあっても生かしては帰さぬ決心であった。飛行島の秘密は、あくまで守らねばならない。
 闇夜の海面を圧する轟々たる爆音は、護衛の飛行団が発するエンジンの響であった。
 飛行島の周囲に、ちらちらする灯火は、護衛駆逐艦の標識灯であった。
 また護衛の潜水艦は、飛行島の前方の海面下を警戒しつづけている。
 この三段構の警戒網を突破し得る不敵の曲者《くせもの》は、よもやあり得ないものと信ぜられた。
 建設団長のリット少将は、いまやこの飛行島の艦長然として、はじめて司令塔に入ったのである。この司令塔の内
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