、それはなんとも実に不可解な記号が、甲板の上いっぱいに書きつけてあるのでございます」
「不可解な記号? 誰がそんなものを書いたのか」
「いいえ、それが誰が書いたとも分からないのでして。――ああ御覧ください、ここからも見えます」
とスミス中尉は、司令塔の小窓から下を指さした。
「なに、ここから見えるというのか」
リット少将は驚いて、司令塔から下を見おろした。
「あっ、あれか。なるほど、これは奇怪じゃ」
リット少将の眼にうつったのは、丁度探照灯で照らしだされた白い飛行甲板の上に、「○○×△」と、なんとも訳の分からない記号が書きつけてある。その記号の大きさといったら、傍へよってみると、多分十メートル平方もあろうか。それが墨くろぐろと書きつけてあるではないか。
「ふーむ」と少将はうなった。
「とにかく不穏な記号と認める。犯人を即刻捕らえろ。そやつの手には、きっとあの黒ペンキがついているにちがいない」
少将は命令を発した。スミス中尉はかしこまって、監視隊本部へ駈足で出ていった。
甲板の上の怪記号が、探照灯に照らしだされたり、そしてまたそのまわりに監視隊がぞろぞろ集ってきたりするのを、司
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