ある。
艦橋に立つ艦長以下の群像は、濃いかげに区切られて、くっきりと照らしだされた。――探照灯は、もう釘づけになって艦橋から放れない。
「うふ。とうとうお眼にとまったか」
と、艦長はにっこりと微笑《ほほえ》み、
「よし、では急ぎ潜航用意。総員艦内に下れ!」
と、号令した。艦は直ちに潜航作業にうつった。
艦長が一声叫べば、あとは日頃の猛訓練の賜《たまもの》で、作業は水ぎわだってきびきびとはかどるのであった。
僅か三十秒後、艦はもうしずしずと波間に沈下しつつあった。
それから一分の後、艦橋もなにも、すっかり海面から消え去った。あとにはほんのすこしの水泡《みなわ》が浮いているだけ――その水泡もまたたく間に、波浪にのまれて、見えなくなった。
なんというすばらしい潜水艦であろう。
闇の中には柳下機の爆音も聞えず、吹きつのる烈風の声、波浪の音のみすごかった。ああわが艦載機の行方はいずこ?
× × ×
こちらは、飛行島であった。
恐るべきスパイ川上機関大尉は、今は冷たい骸《むくろ》となって横たわっているし、もう一人の杉田二等水兵は重傷で、病室に監禁してある。まず
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