べき君の勇敢さについて、少将閣下は勲章を本国へ請求なさることだろう。よくやった、フランク分隊長!」
といって、かたい握手を求めた。
フランクは、脱獄囚のために虐殺されるかと思ったのに、うまく命びろいして、夢心地といったところであった。
が、しばらくして、はっとわれにかえり、
「あ、そうだ。怪フイリッピン人カラモはどうしたろう」
「怪フイリッピン人? なんだい」
「ほら、お忘れになりましたか。さっき少将閣下に申し出て斥けられたあれです。例の日本将校カワカミが化けているのじゃないかと思う怪しい奴です。ついさっきまで、その辺でエンジンを操作していましたが……」
と、懐中電灯をエンジン運転台の方に向けた。
だが、なんのことだ、そこには誰の姿もなかった。見えるのはパイロット・ランプや油圧計や廻転計などの器械ばかりであった。計器の針は、途方もないところへかたむいて、エンジンはいまにも壊れそうな怪しい響をたてていた。
「おや、いないぞ」
と、首をかしげたフランクは、つづいて受持の第四エンジンの乱調に気づき、さっと顔色をかえ、
「たいへん、エンジンが爆発する!」
と、運転台へとびあがると、ハンドルをぐっとひねった。それから安全弁をひらくやら、給水パイプのコックをひねるやら大騒ぎをして、やっとエンジンの壊れるのを救った。
エンジンは、ついにぱったり停ってしまった。
「あいつは、とうとう逃げてしまいました。やっぱり、日本将校カワカミだったのだ……」
フランク分隊長は、印度人に殴られた腰のあたりを痛そうにさすりながら、副官とスミス中尉にいった。
副官たちも、あれほど島内を懸賞までつけて探した川上機関大尉が、まさかその下をくぐりぬけて生きているとは信じなかったけれど、分隊長の話を聞けば怪しいふしもあるので、すぐさま非常手配をした。
だが、川上機関大尉らしい東洋人のその後の行方については、誰もたしかな報告をしてくるものはいなかった。
一方、飛行島を離れた海面に、警備の飛行隊と艦隊とで追いかけまわしていた日本の潜水艦ホ型十三号はどうしたのであろうか。
司令塔のリット少将は、金モール燦然たる軍帽をぬいで、傍のコンパスに被せ、さも疲れたらしく腰を籐椅子に埋めて、電話にかかっていた。
「なんじゃ、警備飛行団長? たしかに急降下爆撃で、潜水艦をやっつけたって? そのことなら、
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