ょうほう》じゃが、拷問器では買い上げんぞ。何とか尤《もっと》もらしい名称に変えてこい」
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乗客吸収方式
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鉄相「お前の名は知っとるがロクでなしの発明ばかりじゃないか。」
小僧「そりゃデマでさア。そこで早速ですが、お買い上げねがいたいものをぶちまけて、ロクでなしかどうか御批判ねがいましょう。これこれ、この乗客吸収方式というやつです。」
鉄相「ナニ乗客吸収方式だア、名称はたいへんいいじゃないか。どうするのだい。」
小僧「つまり切符へミシンを入れるのです。」
鉄相「ほう、ミシンを入れて……。」
小僧「それだけのことです。切符を買った乗客は、そのミシンのところから、ひきちぎって切符の半分を保管します。それには賃金が書いてあります。それを溜《た》めるんです。」
鉄相「溜める? 溜めてどうする。」
小僧「一定の金額以上溜めると、そこで今までに買った切符の金額合計の一割に相当するだけの金額を乗客に払い戻します。」
鉄相「そんなことは出来ない。」
小僧「それも現金で払うのではなく、鉄道旅行券で払う。だから貰った方の乗客は、その切符
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