も、帆村荘六にきくことにしよう。帆村から、すこしぐらい、うるさがられてもいいであろう。名探偵かは知らないが、今まで半年あまりも、彼とは同じ団員として、同じ釜《かま》の飯《めし》をたべているという形だったんだから。
(ああそうだ。そのうち折をみて、帆村さんに、あたしの両親の行方とその安否《あんぴ》をしらべてもらおうかしら。ああ、それがいい。あたしは、いい人とお友だちになったものだ!)
 房枝は、急に前途《ぜんと》に、明るい光明がかがやきだしたように思った。行方しれない両親のことについては、ぜひ帆村の力をかりにいきたいと、房枝はこのときに決心したのであったが、まさか、そのときには、そののち帆村探偵に、どんなにたいへんなやっかいをかけることになるかは、想像してもいなかった。なにしろ、そのときは、彼女が、これから上陸してからのち、どんな怪事件にまきこまれるかについて、すこしも知らなかったわけだから、知らないのもむりではない。
 そのとき、一等運転士の知らせで、船長がとぶようにやってきた。この船について、最高の責任のある船長は、航海中は、特に船橋のことを注意していた。そこは、この船の脳髄《のうず
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