みたが、ピストルは目よりもずっと高いところにある。
「どうです、皆さん。これでは、室内の人物を狙《ねら》いうつことはできません。弾は天井へあたるだけです」
「なるほど、これは明らかな証明だ。いや、よくわかりました。この女の方がやったのではないことだけは、はっきりしました」
と、一等運転士は、わるびれもせず、自分の考えのあやまりだったことをわびて、房枝のうたがいをといた。
房枝は、やっと、ほっとした。
「で、あなたは、一体どなたですか」
と、一等運転士は、せきこんで、青年紳士に尋ねた。
「私? 私は、ピストルに狙われた本人ですよ。ミマツ曲馬団で曾呂利本馬《そろりほんま》と名のっていましたが、実はこういうものなんです」
と、一等運転士に、そっと身分証明書を見せた。
それには、探偵|帆村荘六《ほむらそうろく》の身分が、はっきりしるされてあったので、一等運転士は、あっとばかりおどろいてしまった。
帆村《ほむら》は誇《ほこ》らず
名探偵帆村荘六は、曾呂利本馬の仮面をとりさって、ここに、すっきりした姿を、雷洋丸上にあらわしたのであった。
一等運転士は、さっそく、このおどろく
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