彼女も、おどろいてしまった。
「やっぱり、そうだったのね。ミマツ曲馬団は、雷洋丸以来、ずっと何者かにねらわれているのね。バラオバラコというのは、何者なんでしょう。――団長さん、どうするつもり?」
 黒川は、しばらくは、へんじもしないで呻《うな》っていたが、
「いきたかないが、ここはおとなしく相手のいうことをきいて、やっぱり、いってみるしかないだろうね。せっかくの小屋をこわされ、客の入りをじゃまされては、商売あがったりだよ」
 といって、同意をもとめるように、房枝のかおを見上げた。

   大蜘蛛《おおくも》

 とつぜん、ふってわいた災難であった。
 爆発などをやられては、たまったものではない。警察へ知らせたことがわかると、すぐ爆発させるというし、この花籠をうごかしてもいけないという。すると、相手のいうとおり、おとなしく従うよりほかはない。
「団長さん、なんとか、相手にしれないように、警察のたすけを借りることは出来ないものかしら」
 房枝は、まだ何とかして、のがれたいと考えた。
「だめだよ。そんなことをして、相手にさからうと、この小屋もわたしたちの体も、めちゃめちゃに空中へふきとんでし
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