全滅してしまった。ところが、彼は、この二つのことを、一決して命令したわけではなかったし、また事実、そのようなところへ兵力や兵器を出した覚えもなかったのである。只《ただ》、ふしぎという外ない。
その一方、彼が自ら命令した戦闘では、いつもこっちが敗戦している。第一岬要塞を攻められたままだ。わが突撃隊がいくど突貫をやっても、また物凄い砲火を敵に浴びせかけても、第一岬要塞は、ついに奪還することができない状態にある。要塞のうえには、今もなお敵の決死隊のしるしらしい骸骨の旗が、へんぽんとして飜《ひるがえ》っているのであった。命令しない戦闘に大勝利を博し、命令した戦闘に敗北を喫《きっ》している。こんなふしぎなそして皮肉きわまる出来事があっていいだろうか。彼の信頼するハヤブサも、ついにこの謎を解く力がなく、今、彼の前にうなだれているのであった。
大総督は、部屋の中を歩きくたびれたものと見え、ふかぶかした自分の椅子に、身体をなげかけるように、腰を下ろした。
「おい、ハヤブサ。このことについて、お前に、なにか思いあたることはないか」
「思いあたることと申しますと……」
「ええい、鈍感な奴じゃ」とスター
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