せ、それからつづいて、潜水艇の口蓋《ハッチ》をとじて、四人をあべこべに捕虜《ほりょ》にしてしまうつもりでありました。
そのようにしめしあわせて、水上少年がすきを狙《ねら》っているとき、とつぜん思いがけないことがおこりました。
それはこの動く島が、一大音響とともに、急に非常に大きくゆれだしたことです。つづいて、大ぜいのうなりごえがきこえました。
一体、なにごとであろうと思っていると、豆潜水艇のそばへかけつけた一人の下士官が、外から大きなこえを出して、たった今、この動く島がとつぜん、もうれつな魚雷攻撃をくらい、ついに穴があいて沈みそうだというのです。それをきいた怪外人をはじめ、艇内にいた四人は、あわてて豆潜水艇の外へとびだしていきました。
あとにのこったのは、青木学士と、水上少年との元の二人です。学士はいそいで口蓋をぱたりとしめました。そのころ動く島の中へは、どうどうと海水がはいってきて、中にいたアメリカの水兵たちは、おぼれそうになって、しきりに悲鳴をあげていました。
が、そのうちにその悲鳴も、ついにきこえなくなりました。動く島は、すっかり水びたしになり、おまけにあの大きな図体《
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