なんて、この時局がら、きつい手がらだ。あとでうんと懸賞金が下るだろうぜ」
「その懸賞金が、目あてさ。その金がはいれば、おれは飛行機工場をたてるつもりさ」
「はははは、もう金のつかいみちまで、考えてあるのか。手まわしのいいことだ、はははは」
あぶない荷あげ
「さあ、その大したえものを、こっちの船へ起重機《きじゅうき》でつりあげるから、お前たち、下にいて、ぬかるなよ」
「おい来た。大丈夫だい。まずこのバスがめんどうだから、そら、みんな手をかせ。こいつを海の中へ、たたきこんでしまうんだ」
「よし、みんな手をかせ」
「うんとこ、よいしょ」
だるま船の中では、豆潜水艇のうえにかぶせてあったバスの車体を、みんなでもちあげました。
そして、舷のそばまでもっていって、よいしょと海中へなげこみました。大きな水音がすると同時に、船がぐらっとゆれました。
いきおいあまって、二人ほど、海中へおちこんでしまいました。しかし、いずれも船へおよぎついてきました。
さあ、それからいよいよ、豆潜水艇を起重機でつりあげる作業です。
本船からは、起重機の腕が、ぐっとだるま船の上にのびてきました。そし
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