らぶら下っているかとおもえば、電灯が足許《あしもと》についているというさわぎだった。
 それよりも、おどろいたのは、上官パイ軍曹の姿だった。彼は、天井から、塩びきの鮭《さけ》のように、さかさまになってぶら下って気絶している。一方の足が操縦席にはさまり、そのまま、ぶら下っているのだ。お世辞《せじ》にも、勇しい恰好《かっこう》だとはいえない。
 ピート一等兵は、顔をむけかえて、もう一人の人物、黄いろい幽霊の居場所を、さがしもとめた。
 ところが、黄いろい幽霊は、どこへいったものか、見つからない。
「おやおや幽霊め、とうとう妖怪変化《ようかいへんげ》の正体をあらわして、逃げてしまったかな」
 そういって、ピート一等兵が、ひとりごとをいったとき、彼の足許に一本の手がころがっているのを発見した。電灯の反対でさっきは、よくみえなかったのだ。
「うあッ、こんなところに、だれが腕をおとしていったんだろう?」
 といったとき、その腕が、急に、ぐーっと、うごきだした。怪また怪!


   廻《まわ》れ右《みぎ》!


「ひゃッ!」
 ピート一等兵は、その場に、とびあがった。元来、幽霊が大きらいのピート一等
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