ず、二人の方に向って、大ごえで、よびかけたものがあった。
「お二人とも、手をあげてもらいましょう。手をあげなきゃ、この機関銃の引金を引きますよ」
おもいがけない人間のこえだ。
(あっ、あの幽霊か?)
二人は、とたんに顔の色をうしない、こえのしたうしろをふりかえってみると……。
安全条件
「まあまあ、そんなこわい顔をしないで、おとなしくしてください。お二人とも、僕に反抗しなければ、べつだん、この機関銃の引金を引こうとも思いませんよ」
どこからあらわれたのか、二人のうしろに立っているのは、顔の黄いろい若い東洋人だった。
「貴様、どこの何奴《どいつ》か」
「僕の顔をみれば、大よそ見当はつくでしょうがな」
と、かの若い東洋人は、なおもゆだんなく、機関銃の銃口を、パイ軍曹と、ピート一等兵の方へ向けながら、
「僕の名前ですか。これをお二人さんは、ききたいとおっしゃるのですか。さあ、何といったら、一等わかりやすいでしょうね。そうですなあ、まあ、僕の名前は、黄いろい幽霊といっておきましょう」
二人は、幽霊ということばを聞くと、ぞっとして、首をちぢめた。
「黄いろい幽霊が、こんな
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